スピッツの「チェリー」を聞いて浮かぶ風景
昨日の投稿で、スピッツは印象派っぽいよなぁということを書きました。
曲を聞いた瞬間から、鮮やかな情景が脳内に浮かび上がりますよね。
例えば、「チェリー」の場合。
この曲は私がスピッツにハマるきっかけとなった曲で、今でも私にとって特別な曲です。学校の教科書に載るほどに一般によく知られている曲でもあります。今日は、そんな「チェリー」を聞いたときに私の中に浮かんでくる景色について、書きたいと思います。
君を忘れない 曲がりくねった道を行く
最初のワンフレーズを聞くだけで、緑の草原に覆われた丘の曲がりくねった道を歩く様子が目に浮かびます。曲がりくねった道とは「人生」のことも象徴しているのでしょうか?
生まれたての太陽と 夢を渉る黄色い砂
空は晴れていて、太陽の光が降り注いでいます。空気はカラッとしていて、どこか外国のような感じ。だけど「砂」というワードから、ザラっとした感触が加わります。人生一筋縄ではいかないぞって感じでしょうか?
二度と戻れない くすぐりあって転げた日
きっと想像した以上に 騒がしい未来が
僕を待ってる
君と愛し合った、楽しかった日々にはもう戻れない。でも、彼は全然悲観してなくって、「騒がしい」未来に希望を持っています。こんな具合です。
この曲は、「別れてしまった君との思い出を胸に僕は前を向いてしっかり生きていくよ」、というメッセージ だと私は受け取っています。彼女とラブラブ!っていう歌じゃないのにちっとも暗さを感じないのは、明るい曲調に加えて、冒頭の歌詞で浮かぶ明るい情景が曲全体を覆っているからですよね。
チェリーの歌詞の中で私が一番好きなのは、ここです。
ずるしても真面目にも 生きていける気がしたよ
ずるしても真面目にも生きていける気がするけど、でも君との思い出に誇れるように、真面目に生きていきたいっていう決意表明のような気がするんですよね。
ちょっと弱っている時、嫌なことから逃げたい時に聞くと背筋が伸びます。そうだ、もう少しがんばってみよう!って思えます。
でもその一方で、本当に精神的にまいっている時に聞くと、「ずるしたって生きていけるんだから肩の力を抜きなよ。逃げたっていいんだよ」って言われているような気持ちになります。これぞスピッツマジックだな~。どちらに受け取るにせよ、泣けるフレーズです。
あなたは、チェリーを聞いてどんな情景が思い浮かびますか?